坂本龍馬の身長・容姿〜写真から読み解く実像

坂本龍馬の身長・容姿〜写真から読み解く実像

幕末の風雲児として知られる坂本龍馬。教科書でおなじみの洋装写真からは、当時としては珍しいハイカラな装いの青年の姿が印象的ですが、その写真に写る龍馬の体格や表情からは、彼の人となりを読み取ることができます。現代に残された貴重な写真資料を通じて、龍馬の実像に迫ってみましょう。

現存する写真から判明する龍馬の体格〜身長173cmの偉丈夫

現在確認されている龍馬の写真は、主に慶応3年(1867年)頃に撮影されたものとされています。この写真を詳細に分析すると、龍馬の身長は約173センチメートルと推定されています。江戸時代後期の日本人男性の平均身長が155センチ程度だったことを考えると、龍馬は当時としてはかなりの長身だったことがわかります。

写真に写る龍馬の体格は、がっしりとした肩幅と引き締まった体型が特徴的です。土佐藩の下級武士として剣術修行に励んでいた龍馬らしく、武士としての鍛錬が感じられる堂々とした体躯を持っていました。特に胸板の厚さや腕の太さからは、北辰一刀流の免許皆伝を得るほどの剣術の達人としての身体能力の高さがうかがえます。

また、写真からは龍馬の手の大きさも注目されます。大きく骨太な手は、剣を握り続けてきた武士としての証であり、同時に筆を握って多くの書簡を書き続けた文人としての側面も物語っています。この恵まれた体格が、龍馬が各地を駆け回り、精力的に活動できた原動力の一つだったのかもしれません。

洋装姿に隠された人柄〜表情や立ち振る舞いが物語る龍馬像

龍馬の写真で最も印象的なのは、やはりその洋装姿でしょう。黒いフロックコートに身を包み、懐中時計の鎖を胸に下げた姿は、当時としては極めて斬新で進歩的な装いでした。この服装選択からは、龍馬の開放的で新しいものを積極的に取り入れる性格がよく表れています。保守的な武士社会にあって、堂々と洋装で写真に収まる度胸と柔軟性こそが、龍馬の真骨頂だったのです。

写真に写る龍馬の表情は、穏やかでありながらも意志の強さを感じさせるものです。わずかに微笑んでいるような口元と、真っ直ぐ前を見据える眼差しからは、人懐っこい人柄と同時に、信念を貫く強い意志力が読み取れます。同時代の人々が龍馬を「豪快で親しみやすい人物」と評したのも、この表情を見れば納得できるでしょう。

立ち姿勢にも龍馬の人柄が現れています。肩の力を抜いたリラックスした姿勢でありながら、背筋はしっかりと伸びており、武士としての品格を保っています。この自然体でありながら堂々とした立ち振る舞いは、身分や立場を超えて多くの人々と交流できた龍馬の人間的魅力を物語っています。写真一枚からも、なぜ龍馬が薩長同盟の仲介や大政奉還の実現に重要な役割を果たせたのか、その理由の一端が見えてくるのです。

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